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雑記
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ちょっと、とある唄乱様にやられた結果。





しんべエ成長


 

かたり

天井裏で音が鳴った。

つい、とそちらに目やるがこれといった変化はなく。



どこかで期待していた自分に自嘲が漏れる

そんなはず、ないというのに

「お兄様・・・」
そっと呟いた言葉はただ、拾うものなくその場に落ちた。
兄であった、その人を、いまはもう兄とは呼べなくて。
今から数年前にお父様に勘当されたから。
あのふくよかで柔らかな笑みを、もう何年も見ていない。

貿易商の父の長男であった兄は、様々なことを学ぶため、自らの手でこの先を切り開いていくため、十になると同時にとある学園に入れられた。
おそらく弱弱しくあまえたがりのあの人の性格を改善するためでもあったのだろう。
父のそれは幸いし、兄はその学び屋で様々な技術を、知識を手に入れた。
様々なことに切磋琢磨され、兄は強くなった。

そこまでは順調だったのだ。

父は兄を三年か四年で学園をやめさせるつもりであった。
必要な知識はそこまででも十分得られるうえ、それ以上専門てきなことをやらせるつもりなどなかったから。

三年目のあの日を、私は今もまだ覚えている


「やりたいことができたんだ」

学園を今年でやめなさい。

そう言った父を兄はまっすぐと見つめてそう言った。
頑なな意志は、父のどんな言葉にも折れることがなく。
そんな兄に父は大きくため息をついた。
そして告げられた言葉は幼かった私にとって大きな衝撃だった。

「ならば、出て行きなさい。」

「卒業するまでの授業料はだしてやろう」

「だが、今この時を持って、お前をわしの息子ではなくなった」

「二度とこの屋敷の敷居をまたぐこと許さぬ」

妹として必死に兄を説得した。
いなくなってほしくなどなかったから
これから先、嫁いでしまう私ではなく、男である兄がこの家を支えて行ってくださると信じていたから。

「ごめんね、カメ子。僕の勝手で、お前にすべてを押し付けてしまった」

「お前はしっかりしてはいるけれど、まだ幼い」

「そんなお前を置いて、僕は行くんだ」

「最低な兄ですまない」

「怨んでくれてもいい」

「忘れてくれてもいい。」

「今までありがとう」

「元気で」

そう言って姿を消した兄。


その時から私の中の兄の姿はあの日のまま止まっている


そっと机の上の書きかけの台帳に目を戻す。
再び筆をとり先ほどの続きをつづる


がたん

再び音を立てた天井。
それは先ほどよりも激しく音を出して。
びくりと驚きながらも懐に忍ばせている短刀に手をやる。

商人の子、特に娘というものは利用価値が高いためたびたび襲われるのだ。
そのためカメ子自身も護身用として常にそれを所持していた。

と、その時天井の一か所がぽっかりと穴をあけ、その中から黒い物体が落ちてきた。
咄嗟に短剣を構えるが、落ちてきたそれは、そのままだらりと体を横たえたままで。
ふわり、そのそばに再び降りてきた黒。
それは体格の割に音を感じさせぬもの。

微かにのぞいた目。

それを見た瞬間胸が大きく音を立てた。
その黒はその足元のものを軽々と担ぎあげて、私の後ろにある窓へと向かって歩き出した。
それは必然的に私の元へと向かってきているということで。

どくんどくん
音を立てる胸。

そっと、その黒を見ないように目を伏せる。

目の前の人が、自分を傷つけるという考えが思い浮かばなかったのだ。

「大きくなったな、カメ子。」

横をすぎ去る時、私の耳元で微かに囁かれた声。
それはあのときよりもずっと低い声ではあったけれど確かに兄のもので。
くしゃり、私の頭を微かになでて。

そうしてあなたは再び姿を消した。

ああ、お兄様

お元気そうでなによりでございます。
ひと眼だけでもあえて大変うれしく思っております

どうかどうか

これからもどうか、生き抜いてくださいませ










うわあ、意味不明。
カメ子ちゃん視点。
しんべエって商人の子で長男だから、本当は家継がなきゃいけないよね。
さすがに人殺しした商人の子というのは(ばれなきゃ大丈夫だけど)いろいろとあるかなあと思って。
仲間とともに、卒業したいしんべエ
学校をやめて商人としての修業をしてほしい父
激しい言い合いにはならないけれど、二人してこんこんと話し合う。
結局父がしんべエを勘当することに。
しんべエはそれでもかまわなかった。
きり丸を見てると自分でお金を稼げるのだということにも気づいたので、授業料も自分で稼いでいこうとか思ってた。

勘当はされたけど、カメ子が心配で仕方がない。
卒業してからはちょくちょくとばれないように家に忍びこんでる。
カメ子を見るために。






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